鍛造によるコストダウン③ 中空鍛造による省切削・省材料化
成形ピンを材料に挿入し、中空形状を成形することで大幅な省切削・省材料化とコストダウンを実現できます。
中空鍛造とは、鍛造による強度向上を活かし、製品の減肉化を実現する鍛造方法です。中空鍛造では、上下の金型で材料を加圧する際に、成形ピンを差し込むことで中空形状を成形することで、大幅な省切削・省材料化とコストダウンが可能になります。
鍛造により強度が増すことで、減肉や中空形状が可能に
鍛造加工のメリットは、鋳造や削出し機械加工とは異なり、材料の強度や靭性が増すことです。これにより、肉厚を薄くしたり、中空形状を形成したりできるため、材料コストダウンを実現できます。もちろん、鋳造でも中空構造を成形することは可能ですが、その分強度が落ち、削出し機械加工では中空構造を作ったとしても切削屑が増えるだけで、材料コストダウンを図ることは不可能です。
一般には、上下の型を閉じて材料を型内に閉じ込め、さらに成形ピンを挿入することで、中空形状を成形します。基本的には水平4方向から成形ピンを挿入、さらには、高度な中空鍛造技術により、垂直2方向からも成形ピンを差し込んで成形することも可能です。
また、削出し機械加工に比べて、鍛造は最初から製品形状に近似の成形ができ、バリ抜きと最小限の削り代で済むことにより、省切削化も実現することが可能となります。
中空鍛造によるコストダウン事例
某企業様 大型中空鍛造による省切削・省材料化例
- 材料径φ190のアルミ材削出部品を鍛造化。材料径φ120、中空最大径φ90の大型中空鍛造を実現
- 真鍮材蒸気バルブ部品において、材料径φ120、製品重量15kg、中空最大径φ120の大型中空鍛造を実現
- 真鍮材高圧バルブ部品において、材料径φ95、製品重量12kg、中空最大径φ90の大型中空鍛造を実現 etc..
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