鍛造事典

Forging Encyclopedia

歴史からノウハウまで
知っておきたい鍛造の基礎知識

アルミ鍛造について① アルミ鍛造とは

アルミ鍛造とは、アルミニウム合金材にハンマー等で打撃を加え、成形・鍛錬を行うとともに、高い強度と靱性を得る加工法を指します。

アルミニウム合金材を油圧・水圧・ハンマープレスなどで打撃し、成形と同時に鍛錬を行う加工法をアルミ鍛造と言います。鍛造により圧力を加えることで、高い強度と靱性を得ることが可能です。

アルミニウム合金材における冷間鍛造と熱間鍛造

アルミ鍛造は、その加工温度によって、常温または再結晶温度以下でアルミニウム合金材料に圧力を加える「冷間鍛造」と、再結晶温度以上の高温下で圧力を加える「熱間鍛造」に分類されます。

冷間鍛造は、表面を滑らかに仕上げることができ、細部まで高精度な加工が可能。しかし、大きな圧力と摩擦力が金型にかかるため、金型が破損しやすく寿命が短いことが難点です。したがって、冷間鍛造は比較的小型の部品製造に適していると言えます。また、工程例としては、素材受入に始まり、焼なまし、潤滑、鍛造、熱処理、検査・出荷に至ります。

一方、熱間鍛造では、アルミニウム合金の成分によって約300℃~480℃まで素材を加熱し、柔らかくなった状態で圧力を加えます。そのため、冷間鍛造に比べ低い圧力で複雑な形状加工が可能で、比較的大型の部品製造に適しています。熱間鍛造は冷間鍛造と比較してさらに強度・靱性を高めることができる上、薄肉化により省材料・省切削化にも貢献することが可能です。工程例としては、素材受入から材料切断、炉による加熱、鍛造、焼入れ等の熱処理、そして検査・出荷となります。

但し、アルミニウムは低融点材であり、鋼材に比べて伸びが悪いため成形は簡単ではありません。また、鍛造した後にアルミ材内にとどまる残留応力の低減も課題となります。
したがって、高品質なアルミ鍛造を行うには、高精度ダイセットを製造する技術力と、「鍛造解析シミュレーション」を行い残留応力を可視化する解析力など、高度な鍛造ノウハウが必要です。

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