鍛造工程におけるロボット生産により
<コスト削減を実現する発注方法>
日本の生産人口減少に伴い、製造業においても人手不足の問題が深刻化しています。その解決策として導入が進められているのが、製造工程へのロボット導入(全自動化)です。
熱間鍛造におけるロボット導入には、次の2つの方法があります。
1つは「鍛造工程」自体へのロボット導入、もう1つは鍛造後の「切削工程」へのロボット導入です。今回は、前者について解説いたします。
これらの作業コストは固定費となるため、製造単価を安く抑えるにはまとまったロット数量が見込めることが前提となります。モノによりますが、目安として1ロット5000個以上あれば、ロボット生産に適した数と言えるでしょう。
それでは下記に、メーカーの資材発注・担当者様が、スムーズにコスト削減を実現して頂くための鍛造加工業者選びに役立つ、「質問内容」や「技術確認」ポイントを記載いたします。
【質問内容】コスト削減のための「質問」及び「技術確認」ポイント
- 貴社では、鍛造工程にロボットを導入していますか?
- こちらの製品を鍛造する際、ロボットで生産することは可能ですか?
- ロボットによる鍛造で、生産効率はどの程度上がりますか?
- ロボットで鍛造を行う場合、形状や重量・大きさに制限はありますか?
コスト削減を図る効果的な発注テクニックについて
先述の通り、ロボット生産のボトルネックは、段取替えにかかるコストです。
仮に、形状やサイズが少しずつ異なる複数部品を、ロボットで鍛造するとしましょう。その場合、金型を保持するダイセットを固定化したり、材料となる丸棒の向きを一定方向に揃えるなど、出来る限り段取替えの手間がかからないように工夫する事で、コスト削減を図る事が可能です。
もちろん、設計上の理由から形状を変更できないケースもありますが、鍛造加工の現場のノウハウを取入れることで、ロボットによる生産効率をさらに向上できるケースも少なくありません。さらなるコスト削減を実現するために、設計段階から鍛造加工会社と十分なすり合わせを行う事をおすすめいたします。
鍛造工程にロボットを導入することで、\
約30%のトータルコストダウンを実現
鍛造工程へのロボットを導入により、
大幅なコスト削減を実現された「ユーザー様事例」をご紹介いたします
機械関連メーカー某社様では、3種類の黄銅製部品を製造するに当たり、従来の人手による熱間鍛造からロボットによる熱間鍛造に変更することで、コストダウンを検討されていました。
そこで白光金属工業では、材料切断から加熱~熱間鍛造~冷却~ストックまで全自動化を実現した、独自のロボット生産をご提案。結果、トータルで約30%もの大幅なコストダウンを実現されました。
導入前
人手により金型に材料をセットし熱間鍛造を行うため、長時間作業では技術者の疲労によりスピードがダウン、セット位置が微妙に変わることで品質のバラツキにもつながっていました。
導入後
ロボット導入により、生産効率が1.3~1.5倍と大幅にアップし、約30%のコストダウンを実現。一定品質で、コンスタントに部品が仕上がるようになりました。
【成果詳細】
白光金属では、鍛造工程のロボット化のみならず、フランジ(つば)部分に開ける取付穴についても鍛造による成形をご提案。後工程の穴あけも不要化することができました(切削レス)。
その結果、「世界最適調達」を行っているお客様から、
「アメリカの生産拠点で製造するよりも、白光金属さんで製造しアメリカへ輸出した方がが安くて高品質」
とのご評価を頂き、以後、継続的な受注を頂いています。
相談アドバイスを受付いたします
以上、「プロが教える【実践】鍛造発注マニュアル」では、現状部品のコストダウンを検討されたいメーカーの資材発注・担当者様へ、コストダウンを実現させる実践的なサポートを無料で行っております。
現状既に、鍛造加工業者様とのお取引をされている場合でも、丁寧にアドバイスをさせて頂いておりますので、お気軽にお問合せください。
日本の優れたメーカー様の国際競争力アップを実現させるため、これまで半世紀以上にわたる実践経験や豊富な実績、クライアント様の成功実例を基に、スピーディーにご回答、コストダウンを実現可能にする実践的アドバイスを行わせて頂きます。